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ごあいさつ

みなさんに、腹を割ってお話があります。それは、身近な晴眼の方、できれば、携帯やパソコンに詳しく、使いこなしている方をつかまえて、いっしょにお試しいただきたいことです。電話機自体の操作方法などを学会にお問い合わせいただきましても事務局が対応に困ってしまい、もともとの業務に支障をきたすまでになると、ふたたびこういった場を設けていただくことはむつかしくなってしまうからです。

こういったソフトですから、晴眼の方に頼ることなく、独力でダウンロードし,独力で使ってみたい、というお気持ちは、とてもよくわかります。しかし、はじめて白杖を手にした人がいきなり独力で歩き回れるわけではないように、ソフトや内蔵カメラの扱い方に慣れる段階では、歩行訓練と同じく、晴眼者の目がいずれにせよ必要です。そして、それは遠隔のお電話ではお手伝いができなかろうと思います。

現状の端末性能では、自分はうまく読み取れなかった、とがっかりされる方もいらっしゃると思います。そのときでも、アプリは消さずに、日記や実演で、ぜひまわりの人にたくさん紹介してください。見せた相手が携帯メーカの技術者なら「読み取り性能上げてみるか」と思うはずです。食品メーカの方なら「バーコードの位置がわかるパッケージを検討してみるか」と思うはずです。視覚障碍に関心のある方なら「上手に読み取るための道具を厚紙で工夫してみるか」と思うはずです (その工夫は、次の端末形状にも活かせるはずです) 。ていねいなインストール体験記,問題にぶちあたって解決するまでを書いた日記,苦労して編み出した読み取りの工夫を書いた日記は、他の視覚障碍者の助けになるはずです。そうしたいろいろな方々の歩み寄りで、将来、しかも、近い将来に、「目が見えなくても中身がわかる!!」世界を実現するために、私たちはこのソフトを公開する決断をしました。

私たちは、いっしょにこの問題に取り組んでいただける仲間を探しています。すこし訓練が必要ですが、バーコードの真上にカメラを当てて渡してもらい、携帯を垂直に遠ざけていくと、意外にいろいろなバーコードがすいすい読めることがわかると思います。あとは、視覚に頼らずにバーコードを見つける方法を確立するだけです。それは、端末の歩み寄りかもしれないし、パッケージの歩み寄りかもしれないし、利用者の歩み寄りかもしれない。「目が見えなくても中身がわかる!!」世界にすこしでも可能性を感じたら、ぜひ、自ら行動する仲間になってください。

情報処理学会では、さらに高速・悪条件スキャンが可能な高性能端末の開発を IT 業界に呼び掛けるほか、バーコードの印刷位置があらかじめわかるように、マーキングの標準化や触知化をデザイン/印刷/パッケージング業界にも呼び掛けていきます。みなさんからお預かりする期待や改良のご意見は、今後の改善のため、各業界にもお届けいたします。みなさんの期待の声が、必ず業界を動かします!

携帯カメラでの読み取りがむつかしい方には、4 ~ 5 千円くらいの専用スキャナを接続してわりあい簡単にスキャンできる Windows 版のソフトもご用意しています (バーコードの上からセロハンテープを貼っておけば、好きなときにものの 2 秒で読み取れます) 。あわせてご利用いただければと思います。

Barcode-Talker ダウンロード

データベースについて

  • データベースには、約 230 万アイテムの商品情報が登録されており、日々、約 1,500 アイテムの新製品情報が登録されています。ユーザ登録のない状態では、このうち、飲料 (アルコール飲料を含まない) のカテゴリのみが検索可能です (全体の約 3% にあたります) 。
  • フォーラムは、視覚に障碍のある方 (以下、単に視覚障碍者といいます) 、および、視覚障碍者のために便利なソフトを作ってみようと考える方(以下、単に開発者といいます)の方に、230 万アイテムすべてにアクセスできるIDを無償で発行します。視覚障碍者,開発者のいずれにも該当しない方でも、たとえば視覚障碍者サークルでお手伝いをされているなど、ご事情がありましたら、理由を添えて申請してみてください。
  • フォーラムおよび関連団体は、データの正確さにつき、いかなる保証も行いません。また、この実験が永く続けられるよう、提供される情報を他者への苦情の根拠とすることはお控えください。たとえば、具体の小売価格は輸送・販売コストなどにより決まってくるもので、詳細画面で読み上げられる「標準小売価格」以下で商品を販売する義務は、小売店にはありません。
  • このシステムは、視覚障碍者のみならず高齢者にも有益なものですが、データベースのライセンスの関係で、今期は視覚障碍者を対象とします。
  • 商品データベースは、流通システム開発センターの所管する「JAN コード統合商品情報データベース」(JICFS/IFDB) を、同センターならびに株式会社インテージのご理解のもと、この社会実験を目的として利用させていただいています。
  • データベースは本来有料のもので無制限に公開することはできず、視覚障碍者と開発者に限定して、全件検索が可能な ID を発行します。
  • ユーザを限定しつつも、特定しないようにするために、データベースの検索はユーザグループごとに共通なアクセスキーを用いて行います。アクセスキーは定期的に更新され無効になりますが、有効なアクセスキーは ID とパスワードを用いていつでも取得できます。
  • アクセスの統計情報は報告書等で利用させていただきますが、個別 ID がなにを検索したかという紐付けは行いませんし、記録にも残りません。
  • 国立国会図書館デジタルアーカイブポータル PORTA のご理解により、書籍の検索もできるようになっています。

業界のみなさまへ

商品・デザイン・印刷・パッケージング業界のみなさまへ

  • 「目が見えなくても中身がわかる!」世界まで、パッケージ業界の「あと一歩」になりました!! あとは、バーコードの印刷位置がわかるようにするだけです!!!
  • これまでこの種のシステムが浸透しなかった理由のひとつは、厚盛り印刷や樹脂インクなど、印刷位置を触知可能にするためのコストをパッケージに丸投げしてしまったことが一因だと思います。フォーラムでは、量産コストを増やさずに、印刷位置を触知可能にする方法をいくつか提案しています (包装技術 48(7), pp. 572-580, 2010/7)。
  • 将来的には、バーコードのマーキング位置のガイドラインを JIS 化したいという話が出ています。それまでに、たくさんのメーカの方々が加わってくださり、力になっていただけるとうれしいです。

富士通さん,ドコモさん,スキャナメーカさんへ

  • 携帯のカメラはローリングシャッタの CMOS カメラで、かつアイリスも小さいので、どうしても動きに弱く、動かしながらバーコードを読み取るのは当分不可能なことと思います。
  • ただ、具体的なコードが読めなくても、バーコード「らしきもの」はわかります。それを検出したときに音を鳴らすなどすれば、CMOS カメラでも、手を止めて読み取ることができそうですよ。
  • 「らしきもの」「もうちょっと上」「もうちょっと右」などを検出可能な画像処理を開発していきませんか。JAN シンボルの上空で、バイブレータによる「引っかかり感」を出すのも面白いです。

シャープさん,東芝モバイルディスプレイさんへ

  • 携帯カメラの場合、バーコードから適切な距離だけ離して読み取らなければならないのですが、この距離感をつかんだり、被写体がフレームから外れないようにドリーアウトさせるのは、目の見えない方には相当に困難なことです。
  • シャープさんの光センサ内蔵システム液晶,東芝モバイルディスプレイさんのインプット・ディスプレイを携帯電話に搭載すれば、パッケージに携帯画面を接触させた状態で読み取れますから、微妙な距離感を繰り返し訓練することなしにバーコードをすぐ探せるはずです。展示会用の試作品を作ってみたいと考えています。評価キットなどございましたらご連絡ください。
  • 高齢者が、たとえばアレルギー情報や調理法などを確認するために QR コードを読む際にも、パッケージから浮かせなくてよいとなれば、とても大きなメリットになると思いますよ。

東芝テックさん,NEC インフロンティアさん,テラオカさんへ

  • プライベートブランド,インストアコードに対応可能で、かつ「らくらくホン ベーシックII」なども対象にできるシステム「QR-Labeler」を作っています。
  • 個体管理ができないはずのバーコードで、およその賞味期限もわかるようになっています。ぜひ、御社の POS 機能の売りのひとつとして、(サービスカウンタ用端末などに) 搭載してみませんか。

お問い合わせにつきまして

学会事務局への電話照会が増えますと、業務に支障をきたしてしまいます。お問い合わせは、barcode@hal.inf.shizuoka.ac.jp まで電子メールでお願いいたします。視覚の障碍のため、どうしても電子メールによりがたい場合は、090-8080-0990 にお電話をいただければ、講義・会議中でない限り対応させていただきます (当座、06:00 ~ 24:00) 。なお、説明書きをよくお読みにならないうえでのご質問のほか、らくらくホン自体の操作の方法、料金プランの違いに関する相談などお答えしかねる問い合わせもございます。本業に支障のない範囲で対応させていただいておりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

連絡先を DoCoMo のメールアドレスにされている方で、おそらくインターネットからのメール着信拒否の設定をされていると思うのですが、こちらからのご回答メールが戻ってきてしまいご連絡のとれない方がいらっしゃいます。お近くで、長らく返事がないという方がいらっしゃいましたら、お伝えいただければ幸いです。

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